片岡マンドリン研究所
日記

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2012年01月26日  日本の作曲家2012

今日はレッスンちょっと皆さまに協力いただいて早めに終わって演奏会に行ってきました。
日本作曲家協議会主催の「日本の作曲家2012」で3日間あるうちの今日は2回目です。
サントリーホール小ホールで開催されました。
行く前は、きっと攻めまくりの曲が多いのだろうな~~?と思って出かけたのですが全然違っていました。

私は何も全く知らない、予備知識がない
楽器も自分の専門とは違う
演奏者も全く知らない人ばかり
作曲家は小櫻先生だけしか知らない

こんな状態で出かけたのですが、それが良かったのかもしれません。
どの曲もその空気に浸ることが出来、身体に奥深くまで気持ちがしみこんでいきました。

1. 田丸彩和子:フルート独奏のためのストリーム
水の流れのイメージを表現したとの作曲者の言葉そのものでフルート一本の音が心の奥にしみこんできました。初演は小泉浩さんとのこと懐かしいお名前でした。
私の大好きなフルートの音色を出される素晴らしい奏者(ガラちゃん)です。

2. 二宮 毅:夜に滲む
クラリネットとハープの二重奏
楽器が何なのか忘れるような幻想的なイメージがわいてくる音楽でした。こんな素敵なクラリネットの音色始めて聞きました。

3. 宮原 節子::「何処かで・・・」歌とピアノの為の四つの詩
作曲者自身がピアノ伴奏され、テノールの唄声に魅了されました。
どんなところにいるのかな? 何時なのかな? どんな気持ちでいるのかな?
なんて想像しながら・・・・
宝石の眠りー唐草ー月ー素朴な琴

4. 木下大輔:ゆがんだ十字架のヴァリアントーピアノ独奏のためのー
鋸刃のごとくジグザグに上下する4音の音型を音楽では「十字架の音型」と呼ぶのだそうです。私はそんなこと関係なく「ぼ~~」と聞いていました。
1.荒々しい点描と憂鬱な旋律
2.スケルッツァンド
3.レチタティーヴォ
4.甘美な子守唄
5.フーガ
6.和声的なコーダ

5. 小櫻秀爾:尺八と筝のための三つの小品
小櫻先生は「僕の曲は保守的ですよ・・・」とおっしゃっていましたが、琴と尺八の最大限のたくさんの音色が交錯してとても素敵でした。
日本画家とのコラボレーションで書いた10曲の内の3曲だそうです。
どんな絵を描かれたのか想像しながら聴いていました。絵が見てみたいです。
1.共生  2.風韻  3.瞑想

6. 小川類:ガ. タ.リ.
ガタリとはマウリ語で「揺れる」「揺らぐ」という意味だそうです。
チェロの独奏曲でした。個と個はまじりあわないけど寄り添ったり、はじき返されたり
しながら同じ時を過ごす。Existence の共生とは・・・

7. 青木省三:Ark Ⅶb for two pianos
ピアノ2台による演奏でした。ステージの端と端におかれたピアノでの二重奏です。
この曲の時私は不思議な体験をしました。2台のピアノから出てくる音の最後に残る倍音が別世界のような気がしたのです。きっともっと広い天井の高いホールならもっと立体的に聞こえたのではないでしょうか?

どの曲も私には素直な気持ちで聴けたし、どこにもはねのけるものがなく体の中に入ってきました。
演奏者もお客様に向かっているというよりも自分たちの世界に入り込んでいる気がしました。素敵な経験が出来た2時間でした。

ご連絡くださった小櫻先生ありがとうございました。