片岡マンドリン研究所
日記

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2009年02月07日  Grave と Allegro

今日、ある楽曲の練習を生徒さんとしていて、「Grave 」 という表記が出てきました。
どうも、その演奏がグラーヴェに程遠いので「どういう意味か知ってる?」の質問に「ゆっくり・・・。」
との答えが返ってきました。 「ゆっくりもあるんだけど、もっと重~~い感じ、なのだけど語源を調べてみよう・・・」
ということになっていろいろ調べてみました。

とっても深刻で自分では解決できない重大な状況がグラーヴェなのだそうです。
追い詰められた精神的な危機感、取り返しの付かない間違いを犯した深刻さ、などなど重苦しい精神的な雰囲気に包まれることがグラーヴェなんだそうです。
というわけで、遅いテンポになるのだけど、遅くするのはあくまで結果論で、もともとグラーヴェにテンポを遅くという意味は無いのです。
重苦しく深刻な状態が、荘重なテンポ感を作り出しているのです。

ついでにもう一つ 「Allegro 」 の話もしました。
アッレーグロって言葉は・・・陽気な、楽しい、明るい・・・って言う意味で速度を「早く」と言う意味ではないのよ。との私の言葉に
高校時代の先生が、「イタリアに行ってタクシーに・・・早く行ってください・・・というときはアッレーグロって言えばいいんだよ。」 と教わったそうです。
ずいぶん前に書いたけど、そんなことするとタクシーの運転手さんは、唄を歌いだし、笑ったり!

アレグロ=うきうき、ワクワク、ドキドキそんな気持ちには、快活で心地よい速さがいりますよね。
楽聖ベートーベンも 「アッレーグロという言葉は早いという意味ではない」 と、憂慮している手紙を出版社に送っているそうです。